クロード・モネがルーアン大聖堂の連作を描いているのを知ったのはたしか中学生の頃だっただろうか?その時何か得体のしれないすごさを感じたのだろうか、同じ建物の光の加減を追い求め30点もの作品を書き綴った人物に・・・。この時の旅のもう一つの目的である。フランス、パリへ!
ボクを含め詳しくない人へ少し解説を(笑)。クロード・モネ(1840-1926)とは印象派を代表するフランスの画家である。印象派とは乱暴な解説をするとそれまでフランスの絵画の世界を支配していた権威(正確なデッサンと陰影による肉付法を重要視し絵画のジャンルによって価値の優劣を付けていた歴史画や神話画が神聖とされ風景画や静物画は低俗と位置付けられた、とてもアカデミックな世界で貴族階級に好まれた。当時ならドミニク・アングルの絵が分かりやすいだろう)に対抗するようにドラクロワ、ミレー、クールベといった画家たちから始まった豊かな色彩表現と市民階級の人々が好む風景画などを書き始めた事から始まった。
フランスはとても緊張する町だった、そして東京など、大都会にいるといつも感じるのだが’’すごく寂しい’’。地下鉄に乗ればチケットのおつりはごまかされる(抗議しても取り合ってもらえないのだ、「フランス語も喋れないんだから仕方ないだろ!!さっさとあっちへ行け」とでも言いたげな相手に追い払われ。ルーブル美術館のクロークでは担当者がボクの荷物を汚染物のようにつまみあげ、(確かに汚い姿だったが・・・。)エッフェル塔は乳白色の茶色で印象が少し違ったかな。ベルサイユ宮殿はお金がないので外側だけ見た。
もちろん嫌な事ばかりではなかった。ビストロに行ったが女将さん。年配の、少しおばあちゃんで暖かい人、ボクが片言のフランス語で注文すると、とても気持ちよく対応してくれたし料理も本当に美味しかった。現地で食べたフランスパンは凄いこれまで日本で食べていたのはいったい何だったんだろう?そう表現するしかないカリカリ?サクサク?どれも、しっくりこない。とにかくフランスに行ったらフランスパンは絶対食べるべき!モンマルトルの丘は観光客相手の画家が沢山、日本人画家もいて、とても商売繁盛していたようだ。海外のこんなジャンルでも成功する人っているものなんだ!セーヌ川のほとりは地球上で最も洗練された場所の一つと今でも思っている。「ポンヌフの恋人」(1991年公開)のような伝説の映画が出来上がるのは当然だ。
最後になってしまったがモネの連作はもちろん堪能した。30作品は今はバラバラになってしまって一同に会することはないがオルセー美術館に行けばかなりの数を見ることが出来る。今でもボクの心をつかんで離さない光と空間の関係性、少しは仕事や人生に生かすことができているのかな?
追伸、日本にもルーアン大聖堂の連作が一点あります。箱根町のポーラ美術館です。