ロンドン~番外編~

初めての海外旅行、 ロンドンに滞在し1週間、次の町に行くにしても少し練習をしてみないと不安だった。そのほかにも心配事は尽きなかったが。物価は高くタバコなんて当時の日本人には冗談みたいな値段、食料品も高くて外食なんてとても出来ない。何といっても1ドル240円の時代だから。そしてロンドン到着直後にあの伝説の「プラザ合意」があり1ドル240円はさらに厳しいものになったのだ。当初の見通しが甘かったのだろうか、このままでは3か月の予定が大埴に短縮しそうな予感がしていた。それでも旅を続けられるかどうかはお金よりボク自身の問題が少しだけ大きかった。それで予行演習をかねて、夜行バスでリバプールを目指した。

夜行バスから見える景色はまるで大きなゴルフ場のようだった。なだらかな丘陵地帯がつづき木はほとんどない(昔のイギリス人が森の木々を大体切り倒してしまったという話は本当だったようだ。)日本ではすぐに鬱蒼とした森や幾重にも重なる山々を見るのは当たり前のことなんだが、「所変わればこんなにも違うのか」と関心する。

リバプールの町に着くとどっしりしたつくりの教会が目を引いた。当時はキリスト教についてあまり知らなかったがら町のど真ん中いて絶対的な存在感を放つ教会にはとてもビックリしたのを覚えている。

ビートルズ博物館に行くなどごく地味な観光になったが最後までシツコク現地の不良に追い回された。(多分)中学生くらい^の3人組だったかな、そんなに情熱があれば貧乏そうなバックパッカーを追い回さなくても、もっと楽しいことが沢山出来そうなもんだが、彼らは現地の社会で生きていくにはあまりに不利な立場だったという事なのだろうか?そして自分がとても情けなく思えた。こんな子供になめられ、これではまるで的を付けられ放たれたチキンのようではないか。

そうだ!しつこいようだが本場のフィッシ&チップスは本当に絶品であった。新聞紙を円錐状に丸めた所に揚げたての魚のフライとポテトフライをいれて塩とビネガーをかけただけのシンプルなものだかとても美味!!

そして日が暮れるころロンドン行きの夜行バスにのりリバプールを後にした、「これならロンドンを離れ(日本に戻らずに)旅を続けられるだろう。」と少し安堵感を抱きながら、なだらかな丘陵地帯を眺めていた。

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